ナンパの果てに見えるモノ

ナンパの果てに見えるモノは天国か、はたまた…

コリドーの夜に《弾丸編》

「ヒトは絶望するから足を止めるんじゃない。絶望から這い出ることを"諦め"てしまったから足を止めるんだ。
ヒトは希望があるから前に進むんじゃない。希望を探そうという"意思"で前に進むんだ」

ママ・マリア『ARMS(アームズ)』
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年明けの仕事もひと段落したし、今日は早く帰れそうだ。
久々、飲みに出かけようか。

そう思って、とある人にラインを飛ばした。


「飲み行こう!」


返信はすぐにあった。


『タイミングいいですね!実は今、仕事で〇〇付近にいますよー。』

「それなら、20時ぐらいに待ち合わせしよう。」

『分かりました!』


久々のお酒に心躍らせ、急いで仕事を終わらせた。


「久しぶり!」

『久しぶりです!』


ミッキーさん。

この人とは、とある人のおかげで仲良くなれた。
この場を借りて、お礼を言いたい。

基本、年下でも敬語で話すことにしている。
しかし、タメ口で話せる数少ないナンパ師の1人。

彼はクラブでの立ち回りがとてもうまいと専らの評判。
実際に彼のクラナンを見たことはないが、この後の会話でそう思わされた。

またお世辞にもイケメンとは言えない。
しかし、親しみやすい雰囲気ですぐにどんな人とも打ち解けられる。
いつの間にか仲良くなってて、いつの間にか即られる。

そんな言葉がふさわしいナンパ師じゃないかと思う。


「お腹空いたから、ご飯食べながら飲まない?」

『そうしましょうか。
この辺で良い焼肉屋知ってるので、そこに行きましょう!』


ミッキーさんとサシで飲むのは初めてだ。

俺なんかよりナンパ歴が長い彼とサシで飲めるいい機会。
せっかくだし、今日はいろんな話を聞かせてもらおう。

お店に着き、適当に注文。

まずは軽く乾杯。

久々のお酒はやはり美味い。

焼肉を食べつつ、彼にいくつか質問した。

クラスタになったきっかけ。
クラナンを始めたきっかけ。
クラナンのコツ。

その他もろもろ。

彼は色々と教えてくれた。

クラナンを始める前はクラブ音楽なんて何1つ知らなかった。
だから、女の子とより和むために、そして純粋に楽しむためにクラブミュージックやダンスを片っ端から調べて勉強したと彼は言った。

『クラブに遊びにくる女の子は基本的に音好きなが多い。
ただ、出会いを探している子でも建前は音好き。
音好きという共通の趣味ができれば、女の子とも和みやすいですよ!』

当たり前だが、とても大切なことを教えてくれた。

ナンパ談義に拍車がかかり、この後少しナンパしようということに。

久々のコンビナンパ。
少し緊張した。

コンビナンパはお互いの相性があると思っている。
うまくいかない時はとことんハマらない。


『今夜はコンビ即か乱しましょう!』

彼のこの言葉に勇気をもらい、ナンパの聖地に降り立った。

ナンパ通りで有名なコリドー街。
毎夜、何かが起こっている。

ここを訪れるのは数ヶ月以上ぶりだった。
思い出がたくさん詰まっている俺のナンパの原点。

雑談をしながら、通りを歩く。
二人組、三人組の女の子を横目に見ながら。

「あの二人組、声かけてみようか。」

『いいですよ。』

すれ違った二人組を振り返って追いかけた。

声かけの内容は覚えてないが、ビタ止め。
とあるバーへ誘った。

一声かけ目で連れ出し。
コリドーがナンパの聖地であることを改めて痛感した瞬間だった。

お店に入り、四人で乾杯。

和めるものの決定打に欠けており、乱どころかセパレートすら難しいと感じた。
ある程度和んだところでそれぞれLINEを交換。
解散時にセパ打診するもできず。

ミッキー担当子は食いつきがあるようなのでぜひ準即してもらいたい。


『コンビ組んでも、どちらかしか即れないのは楽しくないです。せっかくですから、コンビ即か乱ができなければ、お互い坊主になりましょう♪』

反省会をしている中で、ミッキーがふとこんなことを言ってくれた。

気を取り直して、次の女の子を探そうとした。
その瞬間、ミッキーが動き、一人の女の子に声をかけた。

ミッキーのトーク内容を近くで聞き耳を立てて聞いていた。
声のトーン、間の取り方がうまい。

気付いたら、三人でカラに行くことが決まっていた。
女の子はほろ酔いでとても甘えた感じ。

到着して5分もしないうちにミッキーはディープキスをしていた。

そのあと流れで3Pへ。

しかし、俺は息子がグダったため、手マンのみ。
ミッキーは無事挿入。

行為後は何もなかったかのように笑顔で解散した。

女の子と出会ってから、ここまで30分程度。

これが噂に聞く弾丸即なのだろう。

ミッキーの言葉が現実になった瞬間であった。

その後、お互いは終電も近かったため、再会を約束し、帰路に着いた。

ミッキーはギラついている最中にもかかわらず、途中そっと俺にコンドームを差し出して、先に即ってというアイコンタクトを出してくれたことが今でも忘れらない。

こういうところもまた俺からしたら、男気に溢れていた。


ミッキーの諦めることなく、一緒に楽しいことをするという意思があったからこその弾丸即だったと思う。


本当にありがとう。

 

あと、1つだけわがままを言わせてもらえるのならば・・・

 

次回、コンビ組む時はコンドームではなく、亜鉛とマカをお願いします。

 


ナンパには夢があった。

故郷(ふるさと)からの便り。

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「運命は変えられないの。夕日が沈むのを止められないように。」

 

シミ・スカイウォーカー(スターウォーズエピソード1 ファントム・メナス

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いつしか二人は寄り添っていた。

 

今までの偶然はすべて運命だったということを、彼女は受け入れたようでもあった。

 

 

「まさかあんな広い場所であんな再会を果たすなんて。」

 

『偶然とは思えないことばかりだったね笑』

 

「そうだね。さっきも言ったけど、俺たちは出会うべくして出会ったんだと思う。これは運命なんだろうね、きっと。」

 

『そうかも!』

 

「だから、これから起こることもすべて運命で、変えられないことができないと思う。二人がキスをすることも。そして、セックスをすることも、ね。」

 

『え・・・?』

 

「これから起こる運命を受け入れる準備はできてる?」

 

 

しばらくの沈黙の後、彼女は黙って頷いた。

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ふるさと祭り。

 

年に一度、東京ドームで開催される日本全国から伝統の祭りや名物グルメが集結する祭典である。

 

 

 

 

某日。

 

 

 

ブルックさんより一通のLINE。

 

「ふるさと祭りのチケットもらったから、行こう。」

 

 

ブルックさんとはひょんなことから仲良くなり、ナンパについて相談にのってもらったりしている。

 

常に落ち着いており、兄貴的な存在で困った時には的確なアドバイスをしてくれる。

(ただし、お酒を飲むとポンコツになる。)

 

元々ブルックブログの読者であった俺としては、これほど嬉しいことはない。

 

二つ返事で行く旨を伝え、当日を楽しみにした。

 

 

 

当日。

 

 

待ち合わせ場所は水道橋駅の西口改札前。

 

このイベントにはのりたまさん、ベムさん、オジーさんの3名も一緒に行くことになっていた。

 

時間より少し早めに着いた。

 

ドーム内での声かけ練習として、改札付近で待ち合わせをしている女の子に声をかけた。

 

 

「今、何時ですか?」

 

『○時○分ですよ。』

 

「間違いなく○時○分ですよね?」

 

『そうですね笑』

 

「おかしいなぁ。○時○分にこの駅の改札で待ち合わせって約束してるんですけど、まだ来ないんですよねー。俺のスマホだけ日本時間受信できてないんじゃないかって心配してたところです。」

 

『笑笑』

 

「もしやお姉さんもふるさと祭りに行かれるんですか?」

 

『そうなんですよ~』

 

「奇遇ですね!俺も友達とそのふるさとなんとかに行くんですよ。もしや、去年も行

きました?」

 

『行きましたよ♪』

 

 

なんだかんだ話が弾み、話し込んでいるうちにのりたまさんとオジーさんが到着して

いるのが横目に確認できた。

 

この子は彼氏と行くらしく、イベント会場で出会ったら乾杯しようと約束をし、その

場を離れた。

 

 

先にのりたまさん、オジーさんと合流。

 

 

のりたまさんは相変わらずの高身長イケメン。

 

オジーさんは前回会った時より、爽やかさが増しており、生田斗真のようなオーラが出ていた。

 

 

遅れてベムさん、ブルックさんが合流。

 

 

ベムさんの笑顔はいつ見ても、子供のように無邪気で楽しそうだ。

 

ブルックさんはいつ見ても、胸元が開いている服を着ており、風邪をひかないか内心ヒヤヒヤしている。

 

 

ここに異色の5人が集まり、何かが起こる予感がした。

 

正確には何か面白いことを起こそうという雰囲気に満ち溢れていた。

 

 

 

 

早速5人でドーム内に入り、まずは乾杯。

 

その後、みんなで様々な地域のお店を見て回った。

 

牛タンや唐揚げなどでお腹を満たし、コンビやグループで来ている女の子を探した。

 

しかし、イベントの性質上、カップルや家族連れが多い。

 

人が多く、ナンパ師は自由人が多いということもあり、2:3ではぐれた。

 

俺はブルックさんと2人で適当にぶらぶらしつつ、声かけできそうな女の子を探していた。

 

ドーム内の出店をほぼ見終わった、その時。

 

ふと前を見ると、試飲コーナーで飲んでいる二人組の女の子を発見。

 

 

「それ、なんていうお酒ですか?」

 

 

このイベントで初の声かけ。

 

彼女たちが飲んでいるお酒を聞き、飲んでみたいお酒があったため、軽い会話をした。

 

2人の出身地を聞き、うち1人の出身地が同じであり、会話は多少盛り上がった。

 

飲み終えた2人は、その場を立ち去ろうとしたため、バンゲ打診をブルックさんに確認。

 

 

「ここはバンゲせずにまた会った時に運命トークしたら、いいんちゃう?」

 

 

まさか、このアドバイスが後々活きるとはこの時は知る由もなかった。

 

 

 

その後、2人でさらに歩き回った。

 

しかし、めぼしい女の子はおらず、これ以降の声かけはしなかった。

 

歩き回った疲れもあり、はぐれたのりたまさん達の場所を確認。

 

座席に座り、休んでいるとのことで早足でその場へ向かった。

 

 

 

みんなが待っている場所へ到着すると、そこには見覚えのある女の子達がいた。

 

 

「あー!!」

 

『えぇ笑』

 

 

最初に声をかけた二人組の女の子がそこにいた。

 

 

「まさかこんなところで出会うとは笑」

 

『笑笑』

 

 

ベムさんが率先して、その女の子達と話しており、既に片方の女の子のバンゲをしていた。

 

会話がひと段落したところで少し離れた場所にギャルっぽい女の子たちがいたため、声かけしに行くことに。

 

 

その場を離れる際、少し前のブルックさんの言葉を思い出した。

 

 

「こんな形で会うなんて、これはもはや運命かもね!せっかくだし、今度飲み行こう。」

 

『そうですね、行きましょう!』

 

 

ベムさんがバンゲしていない方の女の子と連絡先を交換した。

 

その後は、ギャルっぽい女の子たちをオープンするためだけにベムさんがドーム内ステージで歌っているアイドルグループのファンに混ざり、ファンに勝るとも劣らないダンスを披露したり、ベムさん持参の秘密道具を惜しげも無く使ったり、アイドルグループたちとハイタッチをしたり。

 

この日はベムさんに【男気】というものを教えてもらった。

 

 

 

みんな、ナンパをしているためかとてもユーモアがあり、楽しい時間はあっという間に過ぎた。

 

その後は特に何もなく、みなそれぞれ予定があったため、18時過ぎに解散した。

 

 

帰路の途中、バンゲした子にメールを送った。

 

ただ、あまり和めなかったし、食いつきの有無さえ判断できない。

 

スルーされて当たり前、そんな気持ちで返事の期待はしてなかった。

 

 

 

 

 

 

しかし。

 

 

 

 

 

 

21時過ぎ。

 

 

 

 

ふるさとからの便りがあった。

 

彼女からの返信だ。

 

 

 

『こんばんは!まさかあんな形で再会するとは思ってませんでした笑』

 

 

彼女達はふるさと祭りが終わった後に場所を移動し、飲み直していた。

 

ここはダメ元で飲みの後に会えないかどうか打診するために電話した。

 

ドーム内での偶然の再会から話を切り出し、お互いの話を少しした。

 

 

「そういえば、家はそこから遠いの?俺は○○線の××駅だよ!」

 

『え!?ちょっと待って笑。私、△△駅だよ笑。』

 

同じ沿線やないか!笑」

 

 

なんと同じ沿線に住んでいることも判明。

 

 

これは本当に運命なんじゃないか、と思った。

 

 

解散後、俺の最寄駅の居酒屋で飲むことを約束し、電話を切った。

 

 

 

 

 

しばらくして、彼女から今から向かうと連絡が入った。

 

 

 

寒空の中、最寄駅で会った彼女はほろ酔いで顔を少し赤らめていた。

 

 

「だいぶ酔ったでしょ?」

 

『全然シラフだよw』

 

 

いつしか彼女からの敬語はなくなっていた。

 

そして、今日初めて会った気もしない。

 

 

「今日、初めて会ったとは思えないぐらいw」

 

『初めてじゃないよ?』

 

 

一瞬、彼女の言葉の意味が理解できなかった。

 

しかし、、答えはすぐに分かった。

 

 

「あ!ドーム内ですでに2回会ってるから、これで3回目か!」

 

『その通りw』

 

「もはや、これは運命だな。」

 

『そうだね!』

 

「お酒買って、うちで朝まで飲み明かすのも運命ってことにしよう笑」

 

『うん、そうしよう笑』

 

 

最寄りのコンビニに立ち寄り、足早に自宅に向かった。

 

お酒を飲みながら、お互いの話をした。

 

どんな些細なことでも笑ってくれる彼女の笑顔は、とても素敵だった。

 

お酒もそこそこ入り、場はとてもいい雰囲気に包まれていた。

 

 

 

いつしか二人は寄り添っていた。

 

今までの偶然はすべて運命だったということを、彼女は受け入れたようでもあった。

 

 

「まさかあんな広い場所であんな再会を果たすなんて。」

 

『偶然とは思えないことばかりだったね笑』

 

「そうだね。さっきも言ったけど、俺たちは出会うべくして出会ったんだと思う。これは運命なんだろうね、きっと。」

 

『そうかも!』

 

「だから、これから起こることもすべて運命で、変えられないことができないと思う。二人がキスをすることも。そして、セックスをすることも、ね。」

 

『え・・・?』

 

「これから起こる運命を受け入れる準備はできてる?」

 

 

しばらくの沈黙の後、彼女は黙って頷いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

行為後、疑問に思っていたことを率直に聞いてみた。

 

「今日は来てくれてありがとう。運命とはいえ、今日初めて会ったばかりの俺の家に来てくれたけど、怖くなかったの?」

 

『全然怖くなかった!なんか落ち着いてて話しやすかったし、何よりたくさん笑わせてくれたし・・・』

 

「笑わせてくれたし・・・?」

 

『私の好きな芸能人に似てたし笑』

 

 

 

これが俗に言うタイプ落ちってやつか。

 

これはこれでもちろん嬉しいが、魅了したとは言えない。

 

ナンパをする者としては、まだまだ精進が必要だ。

 

今後の課題をぼんやりと考えていると、彼女の寝息が聞こえてきた。

 

今夜はこの寝息を子守唄にしつつ、眠りにつくことにしよう。

 

 

いい夢が見れそうだ。

 

 

 

 

 

翌朝。

 

 

 

彼女は休みで俺は仕事。

 

 

朝から手をつないで、駅へと急いだ。

 

途中すれ違った人々たちは恋人同士にしか見えなかっただろう。

 

二人が出会ってまだ1日も経過していないなんて、誰も知る由もない。

 

お互い進行方向が逆のため、向かい合わせのホームで電車を待つ。

 

時折合う視線になんだか照れくささを感じる。

 

それぞれが乗る電車が同じタイミングで到着し、お互い乗り込む。

 

 

ほどなくして、電車は動き出す。

 

 

数多くの人のさまざまな運命を乗せて・・・

 

 

 

 

ナンパには夢があった。

 

 

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ふるさと祭りに招待してくれたブルックさん、同行していただいたのりたまさん、ベムさん、オジーさん。

 

皆さんのおかげで楽しい思い出がまた一つ増えました。

 

本当にありがとうございました。

有り難しの準々即。

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『知識なり才能なりは必ずしも最高でなくてもいい、しかし熱意だけは最高でなくてはならない。』

 

 

パナソニック株式会社(旧社名: 松下電器産業株式会社 )創業者

松下幸之助

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彼女は笑いながら言った。

 

『さっきまであんなに自信満々で強気だったのに、急に弱くなったね笑』

 

「そりゃそうだよ~笑」

 

セックスの最中なのにそんなこと微塵も感じさせない会話。

 

【楽しむ】て、こういうとこなんだろうな。

 

 

 


学園祭。

 

ナンパ師にとっては一大イベントと言っても過言ではないだろう。

 

高校卒業後は専門学校進学のため、学園祭とは縁遠い学生生活を送った。

 

学生時代に行く機会がなかった学園祭にいつかは行ってみたいと思っていたし、ナンパ師から聞く学園祭の話は俺の心をワクワクドキドキさせていた。


生まれて初めての学園祭ナンパをしてみようと思い、さくらい散策師さんとコンビナンパをしようと計画した。

 

いろんなナンパ師の学園祭ナンパブログを読み漁り、頭の中で何度もシミュレーションをし、即る気満々で意気揚々と臨むも、2バンゲで終了という結果。

※うち1つは死番。

 

学園祭の性質上、2人組の女の子が多く、コンビで声かけが基本となる。


しかし、今回の相方も俺も自由行動が多く、逆3での声かけが当たり前となっていた。

 

 

そんな中、キョロキョロしている女の子2人組を発見。

 

 

「そんなにキョロキョロして何か探してるの?」

 

『どこかにマップみたいなものがないかな、と思って』

 

「それなら、これ使って。さっき通りすがりのいい人にマップもらってたけど、言うほど使いそうにないから。」

 

『あ、ありがとうございます!てか、けっこう分厚いんですねw』

 

「おすすめの場所とかも書いてあるから、きっと役に立つはず!」

 

 

ここからたわいもない会話をし、とあるルーティーンを使い、笑わせてからのバンゲ。

 

バンゲした子は笑顔がともて可愛らしく、当時の酒井若菜に似ていた。

 

その後、その若菜子は友達子が違う男性集団に連れていかれたため、その子の後を追い、姿を消した。

 

「見た目もタイプだったし、貴重なバンゲ。アポりたいな。」

 

心でそうつぶやき、しばらく散策したのちに会場を後にした。

 

 

彼女とのメールラリーは慎重に行った。


いつも即レスをしてしまうため、相手の波長に合わせ、同じような間隔で返事をした。

 

1~2日返信がなくても、こちらから連続でのメールはしないようにした。


ストナンに出かけたり、飲みに出かけたりして、気を紛らわした。

 

 

そうすると不思議なもので若菜子からの返信は途切れることなく、お互いの好きな食べ物や趣味、生い立ちなどで話は尽きなかった。

 

頃合いを見計らい、クリスマスイベントをフックにイルミネーションデートを提案。

 

 

提案は快諾され、数日後に見に行く約束を取り付けた。

 

 

 


アポ当日。

 


待ち合わせ場所に約束時間に現れる彼女。


相変わらず、可愛らしい笑顔でこちらへやってくる。

 

 

『待たせてごめんね!』

 

「俺も今着いたところだから、大丈夫だよ。まずは寒さ対策としてアルコールを注入しにいこうか!」

 

『うん、そうしよう!』

 

 

近くのリーズナブルな居酒屋に入り、これまたたわいもない会話をした。


これまでの生い立ちや恋バナはメールと電話で話していたため、少し突っ込んだ内容を意識しつつ。

 

 

付き合った人数は約10人程度で、どれも長く続かなかったらしい。

 

多少の飽き性な性格もありつつ、それとはまた別の深い理由もあるようだった。

 

しかし、この場では暗い話はご法度と思い、スルーした。

 

 

お互いほろ酔いになったところで会計を済まし、目的のイルミネーションを見に行った。

 

イルミネーション場所に近づいたところで手繋ぎを打診。

 

 

「ここからはリア充の巣窟で人も多いから、迷子にならないように俺たちも手を繋い
リア充ごっこしよ!」

 

『えーー、なにそれ笑。』

 

「ここのイルミ、実は光から魔法成分が出てて、もうすでに若菜子ちゃんは魔法にかかってるからなぁ。今日はもう魔法のせいにしておこう!うん、そうしよう!!」

 

『私、魔法にかかってたの!?笑。まぁ、そこまで言うなら繋いであげてもいいよ笑』

 

「やったね!て、上から目線かい!笑」

 

『笑笑』

 

 

こんなやり取りでさえとても楽しかった。


周りからはまるで本物のカップルのように見えたことだろう。

 

イルミネーションは洞窟のようになっており、1往復した後にこう切り出した。

 


「あ!今日、こっそり渡そうと思っていた滅茶苦茶うまいケーキを家に忘れた...」

 

『え?そうなの?』

 

「ごめんな~。けど、どうしても食べてもらいたい。ここからそんなに遠くないから取りに帰るの付き合ってもらってもいい?取りに帰るだけの価値があるケーキだし!」

 

『う、うーん。そこまで言うのなら。』

 

「ホントごめんな。けど、絶対に後悔させないから安心して!」

 

 

彼女の手を引き、早々にイルミネーションを後にし、自宅へと向かった。

 

自宅に向かう途中、外の寒さやケーキの鮮度の重要さを力説し、早めに食べようという話に持っていった。

 

途中のコンビニでお酒を買い、自宅へと誘った。

 

自宅インするも結果から言うと、最後までは至らなかった。

 

 

セックスとかしたいと思わないし、興味もないグダをなんとか崩し、手満をし始めた。

 


しかし、急に彼女は泣き出した。

 

 

突然のことに焦り、まずは手を止めて、話を聞くことにした。


ここで居酒屋で感じた深い闇(トラウマ)をいろいろと語ってくれた。

 

 

詳しくは書けないが、初めては彼氏ではなく、かつ強引にされたこともあって、
セックスをしようとするたびにフラッシュバックし、涙が出てしまう、と。


それもあって、セックス自体を良いものと思えないからしたくないと語ってくれた。

 

 

 

 

ナンパの世界ではやはり、即や準即がデフォルトとなっており、準々即という文字を見ることはめっきり少なくなったような気がする。

 

ここでもう少し強引に押せば、彼女とはセックスできたかもしれない。

そう、彼女は押しに弱い子であった。

 

正直、俺も即や準即というものにこだわっている部分はあり、ここで即れなかったら、準々即になる。それでは意味がない、という思いも少なからずあった。

 

しかし、今の俺にはできなかった。

 

そうしてしまえば、その場は満たされるかもしれない。

 

しかし、それはただの自己満であり、本物の鬼畜になってしまう。

 

後に残るのは空虚な気持ちしかないように思えた。

 

 

多分、俺はナンパ師としては失格なのかもしれない。

 

ただ、自分のポリシーを曲げてまで即りたいとは思えないし、何よりお互い楽しくないと思う。

 

この瞬間に何か張りつめていた糸のようなものが切れる音がした。

 

 

 

【即とか準即とかに拘りすぎて、大事なものを見失っていたのかもしれない。
それに女性を心の底から楽しませて、ワクワクドキドキさせてから即るのが俺のポリ
シーだったはず。】

 

そう思わせてくれた彼女に心の奥底で深く感謝した。

 

 

「そんなことがあったなんて知らなかったよ。ごめんな。そして、ちゃんと話してく
れてありがとう!若菜子の笑顔が好きだし、これ以上泣いてる姿見たくないから、これから少しずつだけどお互いのこと理解していこう。」

 

『うん、ありがとう。』

 

「それとひとつ聞いてみたいことがあるんだけど...」

 

『何?』

 

「たくさん番号聞かれただろうに、なんで俺と会ってくれたの?」

 

『変な人だったから、記憶に残ってたんだよね笑。それと...』

 

「変な人って笑。それと...?」

 

『諦めずに何度も誘ってきてくれて、熱意みたいなものを感じたから、かな。』

 

 

 熱意、か。

 

 

彼女の口からいつの間にか見失っていた【熱意】という言葉を聞くとは思ってもみなかった。

 

 

その日はそれ以上のことはせず、終電までたわいもない話をして、笑顔で彼女を見送った。

 

 

 


鉄は熱いうちに打て。

 

 

ナンパ界隈でよく聞く言葉だ。

 

時間が空けば空くほど、女の子の気持ちは冷めてしまい、即れる可能性は低くなってしまう。

 

だからこそ、その瞬間の感情を最大限まで引き上げて、気付かぬ間に即ってしまう。

 

女の子からすれば、いつの間にか即られていた、という気持ちになるのだろう。

 

 

 

若菜子とはもう会えないかもしれない。

 

 

とてもタイプな子だっただけに悔しさが徐々にこみ上げてきた。

 

 

もっと早い段階で深い部分まで聞き出せばよかったのか。

 

自宅まで行かずにホテルに連れ出せばよかったのか。

 

他のナンパ師なら、もっと丁寧かつうまく当日に即れていたのではないか。

 

 

様々な思いが頭の中を駆け巡った。

 

自宅のベッドで横になりながら、一握の希望を込めて彼女にお礼と次回のアポ打診メールを送った。

 

返事がないとしても、女々しさがあるとしても、最後の最後まではやり切りたい。

 

その一心で送った。

 

 

返事はすぐに来た。

 

 

こちらこそ、ありがとう!また行こうね!!』

 

 

この返事が社交辞令でないことを願いつつ、その日は眠りについた。

 

 

 

 

翌々日、改めておいしいワインを飲みに行こうという名目でアポ打診をした。

 

さらにアポの動機づけとして、【サンタさんからクリスマスプレゼント預かってて早く渡すように頼まれた】と付け加えた。

 

ここまでするのはナンパ師としては失格だろう。

 

気持ちや雰囲気で魅了するのが鉄則なはずなのに。

 

しかし、是が非でもアポりたかったし、どうにかして即りたいという気持ちが強かった。

 

 

この願いはなんとか承諾された。

 


手に入るかどうかわからないものが手に入った瞬間の喜びは何度味わっても、興奮するし、嬉しいものだ。

 

この興奮を味わいたくて、ナンパをしているのかもしれない。

 

 

 

ただ、一つ気がかりなことが。

 

 

少し前に別の女の子との準々即アポを失敗していた。

 

納涼船でバンゲした子と準々即を狙い、アポったものの見事に負けた。

 

1回目のアポの時は手つなぎまでできたものの2回目のアポでは手つなぎすらグダられる始末。

 

今振り返れば、セックスを意識しすぎて、この子とのアポを純粋に楽しめていない自分がいた。


時間が経てば経つほど、当時ほどの熱量はなくなる。

 

再度熱量を上げるところから始まるが前回のアポで出し尽くしていると、ある種のガス欠状態になる。

 

ガス欠状態でのアポほど苦しいものはない。

 

中途半端にお互いのことがわかっており、男女の関係から【友達】という男女の垣根を超えた存在になり、即りにくくなる気がする。

 

そのため、今回のアポは前回の続きを意識してもらうよう、イルミの話やその時に面白かった話を優先的に話す。

 

居酒屋滞在時間を短めにし、自宅ではなく、ホテルまたは二人きりになれる空間での時間を長くするようという意識で臨もう。

 

 

 

2回目のアポ当日。

 

待ち合わせ場所に同じタイミングで到着した。

 


「めちゃめちゃ波長が合うカップルみたいやん!」

 

『ははは笑』

 


まずは男女を意識させるための先制攻撃。

 


「早速、前におすすめしたワイン酒場に行こうか!」

 

すぐさまワイン酒場に誘った。


そして、前回の続きからというシチュエーションで会話を展開した。

 

1時間が経過しそうなタイミングで締めにアイスを食べようと話を振り、早々に会計を済ませ、コンビニへと足を運んだ。

 

彼女もこの後の展開を予見していたようで特に嫌がるそぶりも見せず、一緒に高級な雰囲気の個室へイン。


一緒にアイスを食べてる時、ふいにそっと抱き寄せる。グダはない。

 

少しして、顔をこちらに向けようとするもぷいっとそむける。

 


「またまた恥ずかしがって~」

 

『違うから笑』

 

「あ、素直になりきれない天邪鬼だったね!」

 

『そんなんじゃないよー笑』

 

 

あどける彼女に可愛らしさを感じつつ、後ろから抱いたまま一緒にテレビを見た。

 

しばらくして、また顔を向けるようなやり取りを何度かした後にキスをした。

 


【うん、今日は問題なくセックスできそうだ。】

 


そう思いつつ、彼女を寝そべらせ、その先へ進もうとしたその瞬間に彼女から思いもしなかった言葉が発せられた。

 


『タダオくん、セックスしたいだけでしょ?』


「!?」

 


その言葉に対して俺は即座に返答できなかった。

 

いや、正確には返答しなかった。

 

確かにセックスはしたかった。

 

ただ、今だからこそ、自分に嘘をつかず素直に話せる。

 

この子との会話はとても楽しく、時間があっという間だった。

 

純粋に楽しんでいる自分がいた。

 

時間にして、2.3分の沈黙だっただろうけど、とても長いものに感じられた。

 

この沈黙の間に頭をフル回転させ、発する言葉を慎重に選んだ。

 

しかし、どんなに取り繕った言葉もこの場では意味がないことを察し、自分の思いを
熱意を持ってきちんと伝えよう。

 

 

「正直、セックスしたくないとは思ってない。正直、セックスもしたいと思ってる。
ただそれ以上に一緒にイルミを見たり、ご飯を食べながら話したりしたのがとても楽しかった。
だからこそ、また会いたくて今回も誘ったし、これからもまた誘いたいと思ってる。
昼間からどこか出かけたいとも思ってるし、美味いもの巡りもしたいと思ってる。」

 

『うん。』

 

「前回セックス手前までしてるのに、それでもこうしてまた会うってことは、またそうなるだろうということもわかってたはずだし。

それに若菜子ちゃんも過去のトラウマを払拭したいって言ってたよね?その手助けをしたいとも思ってる。けど、嫌な時はちゃんと嫌と言って。」

 

『んー、嫌!』

 

「今言うんかい!笑」

 

『笑笑』

 

「とにかく今夜のことは全部俺のせいで構わないから、俺に身を委ねて。」

 

『んー...』

 

 

彼女が何か言いかけたが、これ以上言葉に意味はないと思い、これからの出来事を全て行動で示してもらおうとおもむろに再び抱きしめた。

 

彼女も今まで以上の力で抱き返してきた。

 

ここからの二人にもう言葉はいらない。

 

そのまま、なし崩し的にキスをして、お互い生まれたままの姿になった。

 

彼女の胸を触り、そのまま恥部を触った。

 

 

もう準備は整ったようだった。

 

そして、いざ行為に及ぼうとしたところ、俺の体に異変が。

 

お酒を飲みすぎたらしく、大事な息子の元気が50%しかない。

 

しかし、この雰囲気をぶち壊すわけにはいかない。

 

ヘルメットを装着し、いざ挿入してみるもの彼女の表情がぽかんとしていた。

 

 

『今、入ってるの?』

 

「う、うん。一応...」

 

 

彼女は笑いながら言った。

 

『さっきまであんなに自信満々で強気だったのに、急に弱くなったね笑』

 

「そりゃそうだよ~笑」

 

『男の人ってお酒はいるとみんなそんな感じなの?』

 

「他の男のブツはよくわからん笑」

 

『だよね笑』

 

セックスの最中なのにそんなこと微塵も感じさせない会話。

 

【楽しむ】て、こういうとこなんだろうな。

 


ここは一旦退き、彼女に再度元気にしてもらい、無事挿入に至った。

 

 

 

 

 


行為が終わり、彼女の終電もあったため、早々に帰り支度をした。


外に出ると冬の夜風が身に染みた。


しかし、ここまで心躍るアポは久しぶりだったし、準々即も達成できた。

 

 

心はとても温かかった。

 


彼女と次回の昼アポの約束をとる付け、改札まで見送った。

 


相変わらずな素敵な笑顔に癒されつつ、その場を後にした。

 

 

 

 


準々即。

 


ナンパ師から見れば、そこまで引っ張るぐらいなら、次行く方がいい。

 

そう思う人も少なからずいるだろう。

 

ただ、この子は見た目も雰囲気もタイプだったから是が非でも即りたかったし、何より俺に大切な【熱意】を思い出させてくれた。


ナンパなんてろくでもないことやめろとか言われたりもする。


けど、こんなナンパでも一瞬かも知れないが女の子を笑顔にすることもできる。

 

ナンパにしろ、仕事にしろ、熱意がなければ、相手に何を伝えたところで響かない。

 


逆に多少下手くそでも、熱意があれば、なんとかなることもある気がする。

 

 


出会いがないと嘆く前に。

 

仕事がつまらないと嘆く前に。

 

 


熱意を持って、120%の本気を出してみることをお勧めする。

 

 


自身の何かを変えれるきっかけになるかもしれない。

 

 

 

 


ナンパで人生は変わらない。

 

 

 

 

しかし、人生を変えるきっかけの一つぐらいにはなるかもしれない。

 

 

 


やはり、ナンパには夢があった。

ライターと魔法と。

「できなくてもしょうがない」は、終わってから思うことであって、途中にそれを思ったら、絶対に達成できません。

 

イチロープロ野球選手)

ーーーーー

某日。

 

 

外回りの仕事を早めに終えたため、空はまだ明るく、とてもいい天気だ。

 

 

たまには青空喫煙所での一服でもしようと思い、会社から近いとある青空喫煙所へ。

 

タバコを取り出し、火をつけようと思ったが、どうやらライターを忘れてきたようだ。

 

 

ふと周りに目をやると、サラリーマンばかりの喫煙所にこの場に似つかわしくないカジュアルな服装の可愛らしい女の子。

 

せっかくだし、可愛い女の子にライターを借りようと思い、声かけ。

 

 

「すみません、ライター借りてもいいですか?」

 

 

『あ、たくさんあるのであげますよ。』

 

 

「ありがとうございます。あ、いや、これはお借りしたものなので今度お返しします。」

 

 

少しばかり世間話をし、ライターを返す約束を取り付け、連絡先を交換し、その場を後にした。

 

 

 

 

 

 

 

それから1ヶ月。

 

世間はハロウィンに向けて、軒先にはカボチャやおばけなどの飾り付けが目立つようになってきた。

 

 

イベント時期はザオラルの意味も込めて、イベントごとのメールを送るようにしている。

 

 

もちろん、彼女も送り先の1人として。

 

 

すぐさま返信があった。

 

ハロウィンの予定を聞くと、夕方から空いているようだったので飲みに行く約束をした。

 

約束を取り付ける会話の中で彼女の求めるモノが少し見えた。

 

 

 「俺、人を褒めて伸ばす人だから。」

 

 

『それとてもいいです!けなされたら冗談でも嫌いになります笑』

 

 

よくスト高はマウントを取った方がよいなどの声を聞くが、俺は基本的にどんなに可愛くても基本的に褒めるようにしている。

 

 

褒められて嬉しくない人はいないと思うから。

 

 

ただありきたりな褒め方は相手をうんざりさせ、逆にマイナスポイントになる。

 

じっくり相手の話を聞き、相手が褒めて欲しいと思う部分を探り出して、ピンポイントで褒めるよう心がけている。

 

喫煙所で出会った時、歯の矯正に気づいた。

 

「そういえば、歯の矯正してたよね。歯並びをきちんとしようする自身を高めようとする向上心、とても素晴らしいと思う。」

 

 

『美容業界だから、綺麗な人多くて、自分も可愛くなりたいな〜て思ってます!』

 

 

類は友を呼ぶ。 

可愛い子の周りには可愛い子が集まる、ということなのだろうか。

 

その中で些細なことにも気を配り、負けないように地道な努力をしている彼女が少し愛おしくなった。

 

 

『向上心がある女性、とても素敵だと思う。俺はそういう女性が好きだな。』

 

 

「ありがとうございます!そう言ってもらえるのとても嬉しいです!」

 

 

そう言う彼女の喜んでいる笑顔を想像しながら、当日を楽しみにした。

 

 

 

 

 

 

ハロウィン当日。

 

お互い仕事などが忙しく、当初の時間よりだいぶ遅れるも、無事合流。

 

ネットで探したお酒が美味しいお店へ。

 

 

まずは乾杯をし、借りてたライターを返すことに。

 

 

「えー、てっきりもっとすごいライターになってると思ってたのに笑」

 

 

『いやいや、中のガスにちゃんと魔法かけてるから笑。奇跡がおこるライターになってるから。』

 

 

冗談を交えつつ、彼女のことを聞いたり、自分のことを話したりした。

 

・チャラい男は嫌い

・今までの彼氏は片手で収まる

・極端なツンデレ

・年上が好き

 

 

ただ話せば話すほどに彼女に違和感を感じ始めた。

 

その後、会話の中で違和感が確信になったため、不意に切り込んでみた。

 

 

 

『間違ってたらごめんだけど、今、彼氏と同棲してるでしょ?』

 

 

「え?なんでわかったんですか?」

 

 

『さっき答えに一瞬詰まったから。それに彼氏のこと、かなり好きとみた。』

 

「実はそうなんです。付き合ってまだそんな長くないんですけど、顔も私好みのイケメンでたくさん甘えさせてくれるんです♡」

 

『とても素敵な彼氏さんだね。ただ、そんな彼氏だけど、もしや不満があるとか?』

 

「実は全くそんなことないんです。とても素敵な彼氏です♡」

 

言い当てたものの、即るにはマイナス要因。

 

彼女は彼氏がいるにも関わらず、それを言わずに会いにきたということは、少なからず俺に好意があり、仲良くしたいと思ってくれてたはず。

 

少しでもマイナス印象を与えて食いつきが下がった際に彼氏グダで逃げられてしまう可能性を自分から作ってしまった。

 

墓穴を掘るとは、まさにこのことか。

 

 

 

 

いや、まだだ。

 

まだチャンスはある。

 

よく考えるんだ。

 

 

付き合いたての彼氏がいて、満足してるにも関わらず、俺に会いにきた理由が必ずあるはずだ。

 

 

まずは冷静になり、彼女との物理的な距離を縮めて反応を見るため、隣席へ。

 

嫌がるそぶりはない。

 

いい感じで酔いもまわってきたため、よりプライベートな内容に。

 

「彼氏によく甘えるって言ってたし、年上好きってことは○○ちゃん、実はドMでしょ?」

 

『そんなことないですよー。どっちもいけると思います笑。』

 

「そうなんだね!どっちもいけるって器用なんだね笑。それにしても、ほんといい唇してるよね。さすがにキスはできないから、せめてつまませて笑。」

 

唇をそっと触るも、抵抗は無い。

 

彼女は照れを隠すためか、俺の唇に話題を変えた。

 

 

『タダオさんの唇も厚くて、柔らかそうですよね。』

 

 

「分厚くて良い唇でしょ?て、誰が明太子や!」

 

 

『笑笑』

 

 

冗談も交えつつ、少しずつ彼女との距離を詰めた。

 

カラダの距離と共に心の距離も。

 

 

 

ここで一つ賭けに出た。

 

 

「◯◯ちゃんて雰囲気明るいし、ノリもいいから、チャラく見られがちだけど、実際はとても真面目。それに美意識も人一倍高くて、努力家だし、彼氏にはとても一途。」

 

 

『全然そんなことないですよ~笑』

 

 

「ただ一見リア充に見えて不満なんてなさそうだけど、実は自分に自信がないようにも見える。」

 

 

『うん。全然ない。もっと可愛くなりたい。』

 

 

「その向上心、やはり素敵だね。それともう一つ感じてたことなんだけど、実はとても好奇心旺盛でしょ?」

 

 

『うん、そのとおりですよ。』

 

 

やっと、彼女の心に触れることができた瞬間だった。

 

 

「それなら、俺の唇の柔らかさを試してみない?一番分かりやすい部分で。」

 

 

『???』

 

 

一瞬キョトンとする彼女を構わず、抱き寄せた。

 

抵抗は全くないが、彼女は耳元でこう囁いた。

 

 

「私、彼氏いますよ。。。」

 

 

『知ってるよ。ただ、先に一つ謝らないいけないことがある。』

 

 

「・・・なんですか?」

 

 

『今日はハロウィンで魔法が使えるんだよ。実はこっそり◯◯ちゃんに素直な悪い子になるよう魔法をかけておいた。だから、今日のことは全部魔法のせい。』

 

 

「笑笑」

 

 

そっと唇を近づけると、彼女は我慢していたのか、激しくキスを求めてきた。

 

 

『ここだと落ち着かないし、アイスも食べたいから、場所を変えよう。』

 

 

「どこにですか?」

 

 

ハリー・ポッターと秘密の部屋という映画は知ってる?実は今日だけ誰でもその秘密の部屋に行けるんだよ、なんせハロウィンだからね。』

 

 

すぐさまお会計をし、秘密の部屋へ。

 

 

到着するなり、お互い生まれたままの姿になり、お互いを激しく求めあった。

 

 

 

 

 

そして、実はここからちょっとしたサイドストーリーがあるのだが、それはまたの機会に。

 

 

 

 

着替えを済ませ、駅まで彼女を見送る。

 

 

『もうそろそろ12時だ。ハロウィンマジックもそろそろ切れてしまうね。今日はとても楽しかったよ、ありがとう。』

 

 

「こちらこそ、今日は楽しかったです。また遊びましょう!」

 

 

社交辞令だとしても、また遊ぼうと言われるのは嬉しいものだ。

 

 

 

『気をつけて帰るんだよ。ハッピーハロウィン♪』

 

 

「ありがとう、ハッピーハロウィン♪♪」

 

 

 

そう言って、改札に吸い込まれていく彼女の背中を見送った。

 

 

 

世間は仮装で賑わうハロウィン。

 

道行く人はみな笑顔に包まれてる。

 

 

 

俺は彼女と出会った喫煙所で一服してから帰ろうと思い、立ち寄った。

 

 

 

タバコを吸いつつ、ふと思った。

 

実は魔法にかけられたのは彼女ではなく、俺の方だったのでないだろうか、と。

 

 

あのライターを借りてからというもの、声かけが楽しくなり、憧れの人とも会えた。

 

 

たかがライター、されどライター。

 

 

 

あのライターはこれからも彼女を幸せにしていくのだろう。

 

そう思いながら、帰路に着いた。

 

 

 

ハロウィンはとてもいい日だ。

 

みんな楽しそうにしている。

 

そんな時こそ、ドラマは生まれる。

 

 

さぁ、みんなも街に出て、まだ見ぬ素敵な人を探しにいこう。

 

 

 

 

ナンパには夢がある!

偶然という名の必然。

まだ会ったことのない君を

これから俺は探しに行く。

 

 

君の名は。

立花 瀧

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某日

 

前日に決まった大阪出張。

 

当日の夕方まで仕事をし、急いで新幹線に飛び乗った。

 

21時過ぎに大阪に到着し、同僚と合流。

 

打ち合わせを兼ねた会食。

 

話に花が咲き、時間は24時少し前。

同僚の計らいで車でホテルまで送ってもらうことになった。

 

ホテル前で降ろしてもらい、入ろうとすると、目の前を知った顔が通過しようとしていた。

 

 

「●●さん!」

 

 

『おー、タダオやないか!!久しぶりやな(^^)てか、なんでここにおるん?笑』

 

「急遽、仕事の都合で出張になったので(^^)てか、すごい偶然ですね!こんなところでばったり会うなんて笑」

 

この人は大阪転勤になるまで色々とお世話になってた先輩だ。

 

仕事終わりに同僚と飲んでいて、今から帰るとのこと。

 

数ヶ月ぶりの再会でお互いテンションが上がる。

 

ただ、終電ギリギリのため、話もそこそこに次回飲み行く約束をして別れた。

 

この時はこんな偶然もあるもんだな、と驚いたがこれから色んな偶然が重なるとは夢にも思っていなかった。

 

 

 

 

ホテルにチェックイン。

 

 

ホテルの都合でシングルルームが空いておらず、何故かベッド4つの部屋に通された。

 

残りのベッド3つは荷物置きに使ってくださいと言われたが、何をどう置けばいいのやら。

 

隣の部屋から聞こえてくるうめき声にも似た喘ぎ声を子守唄にして、その日は眠りについた・・・。

 

 

 

 

 

翌日。

 

 

朝から準備をし、仕事は順調に進んだ。

 

お昼は同僚と適当に街をぶらつき、良さげなお店を発見し、何気ない気持ちで入った。

 

ランチの値段もリーズナブルでお腹も気持ちも満たして、そのお店を後にした。

 

 

同じ場所にまた来ることになるとは想像もしてなかった。

 

 

 

仕事がとても順調で、予定していたよりも早く終わりそうだった。

 

「急遽とはいえ、せっかく大阪まで来たのだから、ナンパして帰らないのはもったいないな。」

 

そう思った俺は、大阪の尊敬するナンパ師である火の鳥さんにメールを送った。

 

「今夜、時間あればソロストしようと思うのですが、オススメの連れ出し先とかあれば教えてください!」

 

火の鳥さんは大阪夏の陣で5即しており、世代も近いため、勝手に親近感を覚えている。

 

 

すぐさま返事が来た。

 

 

『対決で俺が2即目に使った居酒屋良いすよー、安いし。』

 

このメールとともにお店情報を送ってくれた火の鳥さん。

 

「連れ出せたら、写真すぐ送りますね!」

 

せっかく教えて頂いた情報を無駄にするわけにはいかない。

 

必ず写真を送ると心に誓い、仕事のスピードをさらにあげた。

 

18時過ぎに仕事が終わり、キャリーケースを持ったまま、適当にぶらついた。

 

ふと目の前にひときわ目立つ建物が顔を覗かせた。

 

 

 

 

グランフロント大阪

 

 

大阪駅近くにそびえ建つ大型複合商業施設。

 

ここなら、人の出入りも多いし、声かけ数には困らないだろう。

 

 

ただ、キャリーケースを持ったまま、ナンパするのもどうかと思い、コインロッカーの場所聞きナンパをすることに。

 

歩きながら適当に声をかけるもなかなか連れ出せそうな女の子がいない。

 

そう簡単に連れ出しなんてできない。

 

だからこそ、即った時の喜びはひとしおなのなだろうと思いつつ、周りを見ながら歩いていた。

 

 

ふと入り口付近で1人で手すりに腰掛けている女の子を発見。

 

見た目は滝川クリステル似で可愛い。

 

「すみません、この辺でコインロッカー知りませんか?」

 

『コインロッカーですか?』

 

「はい(^^)このキャリーケース預けて、少しだけ大阪観光と先輩に勧められた美味しいお店にご飯食べに行こうと思いまして。」

 

『確か梅田駅の方に行けば、たくさんあったと思いますよ(^^)』

 

「梅田駅ですね、ありがとうございます(^^)ただ、1つ重大な問題がありまして…」

 

『何かあったんですか?』

 

「私、この辺詳しくなくて、梅田駅の方向がわからず、困ってまして。なんせ昨日、急遽東京から出張で来たもので…」

 

『あ、大阪に初めていらしたんですね(^^)』

 

「いやー、実はもう10回以上は来てます笑。」

 

『あ、けっこう来られてるんですね笑』

 

「何回来ても、大阪は新鮮すぎて道がよく覚えられなくて(^^)毎回、ドキドキしてます!」

 

『笑笑。お兄さん、面白いですね。』

 

適当に話していたにもかかわらず、会話のキャッチボールができていた。

 

彼女は20歳は専門学生であった。

 

実習がひと段落し、今夜は友達とご飯を食べに行く約束をしていたが、どうやらその友達は急にバイトになったらしく、このまま帰ろうかどうしようかと悩んでいたようだ。

 

「お姉さん、これはまさにシンクロニシティですね!」

 

シンクロニシティ??』

 

「そうです、シンクロニシティです(^^)偶然という名の必然。世の中で起こるすべての出来事は偶然ではなく、起こるべくした起こっている必然的な出来事、という話をどこかで聞いたような聞かなかったような!」

 

『なんですか、それ笑。』

 

「とにかく、これは私と美味しいものを食べて帰りなさい、という神様からのお告げですよ、きっと(^O^)/」

 

『神様のお告げ笑。』

 

「迷える子羊に愛の手を差し伸べても悪くないと思いますよ。まぁ、実際にコインロッカーへも美味しい居酒屋へも道に迷ってたどり着けず、ここに漂流してきたわけですが笑。」

 

『お兄さん、どう見ても子羊には見えないですよ笑。』

 

「まぁまぁ、そう言わずに。私の大阪出張に花を添えても、バチは当たらないと思いますよ(^^)」

 

なんだかんだ話して、どうにか一緒に居酒屋に行くことが出来そうだ。

 

実際、火の鳥さんに教えてもらった居酒屋の場所も把握できてなかったので彼女に先導してもらうことにした。

 

「キャリーケースはどうしましょうか?」

 

『筋トレだと思って、居酒屋まで持って行くことにします。それに預けに行く時間がなんかもったいなくて(^^)』

 

『確かにお兄さん、細いですもんね笑』

 

「そうなんですよ、私意外とガリガリなんですよー。て、誰が板倉やねん!!」

 

『板倉笑。お兄さん、もう少し頑張れば、お笑い芸人なれそうですね(^^)笑』

 

「なんて嬉しいお言葉。実は今、松竹芸能養成学校に通ってまして、尊敬している先輩芸人はダウンタウンさんです(^^)」

 

『なんか違う気がする笑。』

 

「笑笑」

 

意味不明のボケなどを交えつつ、女の子を飽きさせないようにした。

関西の女の子だからなのか、上手く会話に乗ってきてくれる。

 

お互い少しずつ壁がなくなってきて、お互いのことを話しながら、歩く。

 

住んでる場所、仕事、休日の過ごし方、好きなもの、本当にたわいもない会話。

 

自然と彼女もいろいろなことを話してくれた。

 

彼女にナビをしてもらいながら、居酒屋へと近づいてきた。

しかし、なにやら見覚えのある建物。

 

 『あ!』

 

そう。ここはお昼に何気なくランチを食べにきたビルであった。

驚きのあまり、彼女にそのことを話す。

 

「そんなこともあるんですね!これがさっき話してたシンクロニシティですね笑」

 

『これにはおれも驚いた笑』

 

こういうハプニングは相手との心の距離を近づけるいいキッカケになる。

 

居酒屋に入り、それぞれに1杯目を注文。

 

お店に入ってからは家族・兄弟のこと、学校のこと、恋愛経験など、よりプライベートの会話を意識した。

 

今、彼氏はいないが、好きな人はいるとのこと。

 

 

『好きな人といい雰囲気になったり、付き合ったりとかはなさそうなの?』

 

「んー、ないかなー。」

 

『そうなんだねー。色々あるんだな。』

 

その後も今までの経験や恋愛遍歴を聞き出した。

 

 

色々と話すうちに甘えん坊で人懐っこい性格を確信した。

 

こういう時に必ずする質問がある。

 

『間違ってたらゴメンだけど、絶対キス好きでしょ?』

 

「!?。なんでわかったの?」

 

『キスは心を許した特別な人としかしないものでしょ?少なからず、俺には気を許してくれるだろうし、なんとなくキスしたそうだったから笑。』

 

「なにそれー笑」

 

茶化すもののまんざらでもない反応。

 

 

『正直な話、あのとき声かけたのは実はタイプだったから声かけたんだよ。話してて楽しいし、いい意味で裏切ってもらえた(^^)』

 

「またまたぁ笑」

 

『ストレートに言うと、〇〇とキスしたいと思ってる。』

 

「え?」

 

『俺、結構運命って信じる方なんだよね。全ては偶然と思われるけど、この出会いは必然だったと思ってる。そうでなければ、こんなに話が盛り上がることもないし、そもそも今ここに一緒にいないよ(^^)』

 

「そうかもしれないね(^^)」

 

『だから、キスするの運命なんだよ(^^)その運命を信じるかどうかは〇〇次第だし、運命には逆らえないんだよ。だから、今から目を閉じて運命を受け入れてみよう。』

 

しばらく、お互いの目を見つめた。

 

少しして彼女は目を閉じた。

 

 

 

 

口づけを交わし、耳元でそっと次の行き先を告げる。

 

 

 

彼女は運命に従うと言わんばかりに首を縦に振った。

 

 

 

会ったその日にセックスなんてありえない。

 

そう考える人は多い。

 

 

ただ、俺はそうは思わない。

 

どれだけ長く過ごしたかは重要じゃない。

 

短くても、どれだけ濃く過ごせたか。

 

 

 

人生は思っている以上に短い。

 

 

 

想いをストレートに伝える大切さを俺はナンパで知った。

 

 

 

 

 

 

 

行為後、彼女に改めて聞いてみた。

 

 

『好きな人と結ばれないのは辛いよな。もしや、相手は既婚者とか?』

 

「ううん、セフレなんだよね。簡単に体許すセフレは恋愛対象にはならん、て言われたから笑」

 

 

 

笑いながら話す彼女の瞳の奥に一握の寂しさを感じた。

 

人それぞれ多少の苦しみを抱えながら生きてるんだな。

 

彼女のためにできることはなんだろう。

 

そう真剣に考えた。

 

『よし!また俺が大阪来たときはユニバに行こう!!たまには普通にキャッキャっするのも楽しいぞ(^^)』

 

「ホンマに?めっちゃ嬉しい!楽しみにしておく(^^)」

 

約束とはいつも紙一重。

 

守れば、信用が少しずつ積み重なり、破れば一瞬にして崩れ去る。

 

1つ1つの出会いを大切にしたい。

 

たとえ、ナンパであったとしても。

 

 

 

門限があるため、彼女を駅まで見送る。

 

 

「必ずまた会おうね!」

 

『もちろん(^^)』

 

 

笑顔で手を振る彼女に俺も自然と笑顔になる。

 

 

「いつ会えるかわからないけど、また遊ぼうな(^^)」

 

 

改札の向こう側から彼女にそう伝え、背中を見守った。

 

 

このときはまさか3日後に再会するとも知らずに。

 

 

 

そして、実はこの後、以前にバンゲしていた女の子の家に泊まり、準即した。

 

 

 

この話はまた次のブログで。

 

 

 

 

最後に一言だけ。

 

 

 

 

大阪、最高かよ!

 

 

 

 

 

 

 

リスタート。

『行けると思うならどこまでも。

やれると思うならどこまでも。

好きなようにやったらいいじゃないか。限界を決めるのは自分ってことだよ!』

 

ポケットモンスター

イッシュ地方ホドモエシティジム ジムリーダー ヤーコン

ーーーーー

お盆。

 

 

世間は先祖供養のため、帰省ラッシュでごった返していた。

 

自分も帰省して先祖供養をするつもりだったが、諸事情により断念した。

 

ただ、せっかくの休暇だ。

今一度、自分を見つめ直すためにも一人旅に出ることにした。

 

 

 

 

環境を変えれば、何かが変わると信じて・・・

 

 

 

 

場所は何かと縁がある名古屋と某地方都市の2箇所に決めた。

 

名古屋ではアポがあったこともあり、のんびり構えていた。

 

 

 

アポ当日。

 

 

事前連絡をし、待ち合わせ場所の確認をしようと連絡する。

しかし、急用ができ、会えなくなったと言われる。

 

ナンパにおいて、ドタキャンはよくあること。

 しかし、ここは東京から遠く離れた土地。

 

一瞬に手持ち無沙汰になってしまった。

 

場所に縁があるとはいえ、特に親しい友人がいるわけでもない。

また特別な予定を入れているわけでもなかった。

 

 

これはソロストするしかないのか。

 

 

しかし。

 

しばらくナンパしてなかったせいか、第一声を躊躇してしまう。

もともと非モテの俺が今まで躊躇せずに声かけできたほうが凄かったのだろう。

 

 

 

『何しに名古屋まで来たのだろう。このまま、東京に帰って家でゆっくりしてたほうがいいんじゃないか。』

 

 

 

そんな言葉が頭を何度もよぎった。

 

しかし、このまま東京に帰ったとしても、何も残らない。

せっかく名古屋まで来たんだ、何かブログに書けるようなネタができるまで当たって砕けよう。

 

普通に声かけできないのであれば、何らかの道聞きナンパやネタナンパでもしてみよう。

時間もちょうどお昼であったため、おすすめランチ教えて!で声かけすることに。

 

 

 

『すみません!この界隈で観光客におすすめのランチ知りませんか?』

 

 

 

2.3人に声かけするも、名古屋名物やラーメン屋を教えてもらうが連れ出しまでのトークができず。

 

普通の観光客に成り下がってる自分に落ち込みつつもお腹がすいていたため、オススメされたラーメン屋に行くことに。

 

遠方の土地で1人で食べるラーメンほど虚しいものはない。 

 

しかし、お腹が満たされて気力体力ともに回復したおかげか、いいアイデアを思いついた。

 

最近始めたポケモンGOをネタに声かけしよう。

 

まずはポケモンGOで遊んでる人が最も多そうな場所をググった。

今の時代、ネットでなんでも調べられる。

 

少し移動すれば、大きい公園があり、ポケモンGOで遊ぶ人もたくさんいるとの情報をゲット。

 

ラーメン屋を後にし、電車に飛び乗り、すぐさま移動。

 

ほどなくして、公園に到着。

 

 

 時刻は正午を少し回ったところ。

 

夏の日差しはすぐに体力を奪う。

 

公園に到着したものの暑さのため、動き回る事が億劫になってきた。

暑さをしのぐのにいい場所がないかと公園を歩き回る事にした。

 

ちょうどいい木陰を発見。

 

 

ん?

 

よく見ると女の子が1人スマホを凝視しながら、必死に指を動かしていた。

 

ここは3秒ルールに従い、間髪入れずにすかさず声かけ。

 

 

『お姉さん、指の筋トレがハンパないですね!』

 

「指の筋トレじゃないです笑。今、ポケモンGOしてるんです(^^)」

 

よく見ると、しょこたんに似ていて可愛い。

 

 

『そうなんですね!てっきりデコピン選手権の予行練習かと思いました(^^)実は俺も最近そのアプリ始めて夢中でポケモン集めて歩いてたら、東京から名古屋まで歩いてきてしまったんですよ(^O^)/』

 

「ふふふ笑。お兄さん、面白いですね!もしや、若手のお笑い芸人とかですか?笑」

 

まずはオープン。

 

しかし、ここからが大切。

どうやって連れ出せばいいのやら。

連れ出すための最も適した理由を考えるんだ。

 

今日の暑さやポケモンGOの話題を中心に話を進める。

しかし、暑さのせいか汗が止まらない。そして、不覚にもハンカチを持ってきていなかった。

 

不覚だ。

 

 

しかし、滝のような汗をかく俺を見て、彼女はこう言った。

 

「それにしても、お兄さんの汗の量すごいですね!ハンカチとかなければ貸しますよ?」

 

けっこう汗かいてるように見えるんだな。

冷たいものでも食べれば、汗なんてすぐ引くだろうに。

 

・・・これだ!

この暑さを理由に連れ出そう。

 

『お姉さん、優しいですね。さすがに東京から歩いてきて、汗たくさんかいたので水分が足りてないんです。そこでお姉さん、オススメのかき氷屋さんとか知りませんか?こんな暑い日にかき氷食べないで、いつ食べるの?!』

 

今でしょ!!笑

なんか言わされた感がある笑。そういえば、私もまだ今年はかき氷食べてないなぁ。」

 

 

とてもノリがいい彼女。話してて、とても楽しい。

 

 

『それなら、ポケモン探しも楽しいけど、かき氷探しの旅はもっと楽しいと思いますよ(^O^)/もしかしたら、かき氷屋にレアポケモンいるかもしれないし!』

 

「それもそうですね。ただ、私もこの辺はあまり詳しくないんですよ。」

 

彼女は名古屋市内からはだいぶ離れたところに住んでおり、東京で開催されるとあるイベントに友達と名古屋で合流し、20時過ぎには出発するらしい。

ただ、予定より早めに到着し、暇つぶしのため、この公園でポケモンGOをしていたようだ。

 

よし、時間はたっぷりある。

逆算して、即までの手順を考える。

 

すぐさま、グーグル先生の力を借り、近くのかき氷屋を探す。

 

 

近くの商業施設にかき氷屋がオープンしているらしく、彼女もその場所は知っていた。

 

気が変わらないうちに颯爽と駅へと促す。

 

道中、自分のことを話した後に相手のことを聞く。

キャッチボールを意識しながら会話を進めた。

 

話せば共通の趣味があり、話に花が咲いた。

共通の話題は話が盛り上がり、和むスピードもだいぶ早くなる。

 

また内容の深堀りも意識して、内容を掘り下げた。

 

そして、いつしか彼女の言葉にタメ口が入るようになってきた。

 

 

 

これはいい傾向だ。

 

いつも意識してるのがハンドテストの前に敬語をタメ口にすること。

タメ口だと、心の距離が少しだけ近づいた気がする。

そして、どんな内容もフランクに話せる気がする。

 

そうこうしているうちにかき氷屋に到着。

 

 

それぞれ食べたいシロップを選び、近くに腰掛けながら、食べた。

 

「2人でかき氷食べるとか、なんかデートみたいだね(^^)」

 

『ホントだね!なんかこういうの久しぶり(^^)』

 

 かき氷を美味しそうに食べる彼女の笑顔にキュンときてしまった。

 

 

食べ終えたが時間はまだたっぷりあった。

せっかくだし、名古屋の美味しいものを一緒に食べて欲しい気持ちを伝え、晩御飯を提案。

 

『今夜はこの出会いを祝して乾杯しよう!』

 

「うん(^^)」

 

名古屋駅近くで楽しそうな名前の居酒屋見つけたから、一緒に行こう。もしかすると、レアポケモンいるかもだし(^^)』

 

公園を後にし、ほどなくして居酒屋に到着。

 

名古屋の居酒屋事情はよく知らなかったが、たまたま入ったその居酒屋は、

ほとんどが個室でしかも座席がL字であった。

 

座席に座り、とりあえずの一杯を頼む。

 

ここからは仕事の愚痴や不満を引き出し、聞き役に徹する。

そして、少しずつ恋愛トークにシフト。

 

『そういえば、今彼氏はいないの?』

 

「いないよー、数ヶ月前に別れた。」

 

『それは寂しいな。別れてから素敵な出会いとかあったんじゃない?』

 

「全然ないよ笑」

 

『ほぅほぅ。彼氏にまだ未練がある、と。これはメモしておこう。』

 

「やめて笑。」

 

『正直、寂しさのあまりその元彼とたまに遊んでるとみた笑』

 

「んー、あたり笑」

 

『笑笑』

 

 

女の子と話してていつも思うけど、元彼とセフレになってしまう子が一定数いるということ。

 

口では別れると言っても、すぐに気持ちを切り替えられる人なんてそういないのだろう。

 

『そうなんだね笑。けど、そういう関係悪いと思わないし、何より自分の気持ちに正直でいいと思うよ(^^)』

 

「そうなのかなー。よくわからないけど笑」

 

『だって、〇〇ちゃんは寂しがり屋の甘えん坊だろうし(^^)』

 

「なんでわかったの?」

 

『話す雰囲気とかでだいたいわかるよ!〇〇ちゃんの場合、特にわかりやすい笑』

 

「なんかアレみたい!メンタリズムだっけ?」

 

『あ、その人知ってる!ズバズバ当てるし、すごいよな(^^)』

 

 

少し踏み込んでは離れる。

そんな会話を繰り返す。

 

『◯◯ちゃんてほんときれいな爪してるよね。日頃の手入れがいいのかな。俺、老眼の気があって、ここからだとよく見えないから、近くで見せて。』

 

口実を作り、彼女に近寄っていく。

 

嫌がるそぶりはない。

 

『〇〇とは趣味も合うし、話してて楽しい(^^)それになんか一緒にいて落ち着くし。』

 

「それ、私も思ってた!なんでも聞いてくれるし、話しやすい(^^)それになんか一緒にいて落ち着く。」

 

『そう思ってくれるなんてとても嬉しい。波長が合うのかもね!』

 

「そうなのかな(^^)」

 

 『それとよりはっきりわかる波長が合うかどうかの確認方法あるんだけど、知ってる?』

 

「そんなのあるの!?」

 

『うん(^^)ハグするとよりはっきりするんだよ。』

 

「えー、知らなかった∑(゚Д゚)」

 

『ここまできて、実は波長合わないとかなったら悲しすぎるから、5秒だけハグして確かめてみようか!』

 

「えーー、ここで?笑」

 

『嫌なら、せんでもいいよ(^^)俺はできたら嬉しいけどね。』

 

「嫌じゃないけど…」

 

『おけ、俺に任せて(^^)ただ、嫌な時はちゃんというんだよ?』

 

「うん、わかった。」

 

彼女をそっと抱きしめた。

あまり力を入れず、いつでも離れられるように。

 

『なんか暖かさが伝わってくる(^^)〇〇は嫌じゃない?』

 

「うん、私もなんか暖かい感じがする(^^)」

 

『お互い波長バッチリだね。エヴァのシンクロ率超えるのも近い(^^)』

 

「なにそれ笑笑」

 

5秒という短い時間はあっという間に過ぎた。

それでも2人は離れることはなかった。

 

しばらくして、スッと離れて彼女の目を見つめた。

 

 

 

顔を近づけると彼女はそっと目を閉じた。

 

 

 

そっと唇を重ねて、すぐ離れた。

 

 

 

『お互い遠くに住んでるから、なかなか会えない。だから、俺はこの瞬間を大切にしたいと思ってる。これから〇〇をホテルに誘うけど、少しでも嫌て思うならついてこなくても大丈夫だからね(^^)』

 

「えー、そんな風に言われても・・・。どうしていいかわからない。」

 

『そうだよね。とりあえず、お店でようか。』

 

そう言ってお会計を済まし、エレベーターに乗り込む。

 

手を差し伸ばすとギュッと握り返してきた。

そのまま抱き寄せてキスをした。

 

ここからの2人に言葉はいらなかった。

 

そのまま、ホテルに移動し、お互いを確かめ合った。

 

 

 

俺はセックスも好きだけど、キスやピロートークがもっと好きだ。

 

 

セックス以上に恥ずかしいことなんて、それほどない。

 

だから、心もだいぶオープンになって、友達のままでは言えないような話や相談もできる。

 

 

 

 

 

行為後、タイムリミットが迫っていたため、急いで帰り支度。

 

その際にとあるものが目に入った。

 

『これ、〇〇の?』

 

「そうだよ(^^)明日のイベントで使うの!」

 

『これはすごいなー。明日のイベントが楽しみだな(^^)』

 

「うん!!」

 

何回見ても飽きない笑顔。

 

俺はこの笑顔に出会うために名古屋に来たのかもしれない。

 

そして、彼女のおかげでいいリスタートが出来そうだ。

 

 

待ち合わせに遅れさせるわけにはいかないため、また会う約束をして、別れた。

 

 

 

 「必ずまた会おうね!!」

 

 

 

彼女は最後にこう言い残し、改札の中に吸い込まれていった。

 

最後の最後まで最高の笑顔で俺を幸せな気持ちにしてくれた。 

 

 

 

数日後、彼女がイベントのNAVERまとめに掲載されてるのを発見して、驚きを隠せなかった。

 

何度見ても、この笑顔には癒される。

  

彼女と別れた後、楽しい思い出を胸に刻みつつ、ホテルへ移動し、眠りについた。

 

 

 

翌日は正午ごろに目が覚めた。

 

そして、颯爽と支度をし、今日起きるであろうドラマを探しに街に出かけた。

 

 

 

この日、即はできなかったものの、昼ストで2人の素敵な女性と出会い、熱い接吻を交わすことができた。

1人は内田嶺衣奈に、もう1人は板野友美に似ていて、とても可愛かった。

 

 

 

自身のタイムリミットである夕方にとある地方都市に行くため、電車に飛び乗り、名古屋を後にした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ストリートはいつもゼロスタート。

しかし、ランダムステージだから、1つとして同じ出来事は起きない。

 

 

ガンシカされたり、罵声を浴びせられたり、連れ出せても奢るだけになったり、ホテルに行ってもキスすらできなかったり、たくさんの失敗がある。

 

それでも即れた時、この数多くの失敗を人は経験と呼ぶようになる。

 

そう考えると失敗なんて、世の中にないんじゃないかなと思えてくる。

 

 

だからこそ、ナンパは楽しくもある。

 

ナンパの楽しさを思い出す、いいきっかけになった。

 

 

 

 

 

少しの勇気と大いなる情熱を持って、また今日も街に出てみよう。

 

 

 

 

 

ナンパ、最高かよ! 

 

 

 

星に願いを。

ーーーーー

もはや愛してくれない人を愛するのは辛いことだ。けれども、自分から愛していない人に愛されるほうがもっと不愉快だ。

 

ジョルジュ・クールトリーヌ

 ーーーーー

 

 

行為が終わり、着替える彼女に茶化すように言った。

 

「願い事が叶って良かったよ」

 

彼女は微笑みながら、こう答えた。

 

「あんな願い事で良かったんですか?それにそもそも願い事叶っていないですよw」

 

 

 

 

2016年7月7日

 

今日は七夕。

年に一度、短冊に願い事を書き、笹に吊るす。

 

ナンパ師界隈のみならず、世間にも広まりつつある「ザオラルメール」。

連絡が途絶えた女性に奇想天外なメールを送り、復活を図る。

 

 ナンパをする人にとっては絶好のザオラルメールを送るいい日である。

 

俺も例外にもれず、死番となった女の子たちにメールを何十通送った。

ザオラルメールはインパクトが大切なため、笑いが取れるような奇想天外なものがいいと思っている。

 

色々と考えた結果、ひとつ面白い内容を思いついた。

 

返信があるかどうかは神頼み。彦星と織姫を味方につけるしかない。

 

早速、携帯が鳴った。

ザオラルメールに対する返信であった。

 

それからさらにいくつかの返信があり、全部で20通ほどの返信があった。

 

その中に半年ほど前にバンゲした女の子から返信があった。

当時、ナンパを始めたばかりで声かけのテンプレなどはなく、とにかく粘る事しか頭になかった。

 

その時にタダオ通りでバンゲした女の子。

どんな声かけでバンゲしたかは覚えていない。唯一覚えているのは、JDでモデルをしているという事だけ。

 

記憶を呼び起こすと目がくりっとしてて、あひる口、そしてとても愛嬌のある笑顔。

 

せっかくの返信を無碍にはできない。

細い糸を慎重に手繰り寄せ、なんとかアポにこぎつけた。

 

某日

 

待ち合わせ30分前に彼女からメールが。

 

「ごめんなさい。10分ほど遅れます。」

 

遅れる旨を事前に連絡するなんて、なんて律儀なんだ。

こういう小さいところに気配りができる子はモテるだろうな、と思いつつ、近くにある蒸気機関車を見つめていた。

 

待ち合わせに現れた彼女は白いブラウスに黒に柄の入った膝丈のスカート。

小雨が降っていたたため、黒い傘をさし、歩み寄ってきた。

 

相変わらず、愛嬌のある笑顔。この笑顔に何人の男性が恋に落ちてきたのか。

ただ、ナンパをする以上、オンリーワンになるわけにいかない。

 

オンリーワンになっても、何もいい事がないのは経験済み。

 

心は踊っているが、表情は冷静を装い、彼女に久しぶりの挨拶をした。

 

「かなり久しぶりだね。元気にしてた?」

 

彼女は満面の笑みで答えた。

 

「はい、おかげさまで!」

 

あの時、声をかけていなければ、ザオラルメールを送らなければ、この再会はなかったと思うと、とても感慨深い気持ちになった。

 

「立ち話もなんだし、早速近くのカフェにで行こうか」

 

「はい、行きましょう!」

 

道中、お互いの近況報告も兼ねて、色々な話をした。

学校の事、恋愛の事、モデル業の事。

 

知らない事ばかりで話を聞くだけで十分楽しかった。

 

カフェに到着し、飲み物を頼む。

このカフェはナンパを始めるきっかけになったとある方と初めて出会った場所。

 

今日のげん担ぎにはもってこいであった。

 

テラス席に座り、さらに深い部分を引き出す会話をした。

少し前に彼氏ができたということだった。

 

彼氏グダを事前に防いでおく必要があると思いつつ、話を進める。

ただ、話を聞けば聞くほど、わかったことがある。

 

彼氏は俗に言うハイスペであった。

 

そして、夕方から彼氏とドライブデートの予定。

急遽、このアポにタイムリミットができた。

 

リミットまでに何もできなければ、負け。

 

一瞬動揺するもここは気持ちを切り替えて、彼氏を褒めちぎることにした。

 

またお酒が好きで男性的な性格であることも分かった。

 

「昼間から飲むお酒ってなんであんなに美味しいんだろうねぇ」

という切り口から、居酒屋を打診。打診は快諾された。

 

「よし、居酒屋探し散歩でもしようか!」

また彼女は満面の笑みでこう答えた。

 

「お、いいですね!行きましょう!」

 

居酒屋はすぐに見つかった。

ここは連れだしでもお世話になっており、初のコンビ即を達成した場所。

 

さらなるげん担ぎ。

 

居酒屋では日本酒と馬刺しを注文し、俺の地元である九州の話をした。

住みやすく、食べ物も美味しく、美男美女が多い、など。

 

ここでも様々な話をした。

しかし、一向に即れる雰囲気がない。

 

笑ってはくれるものの食いつきを全く感じない。

 

健全解散。この言葉が頭をよぎった。

今日は普通に楽しく食べて、飲んで、それでさよなら。

 

これだけ可愛い子と談笑できたし、このまま終わっても悪くないな、と思った。

しかし、瞬間的にある言葉を思い出した。

 

「ギラつく勇気」

 

一般人とナンパ師の大きな差は、ここではないかと常々感じていた。

そして、今自分は一般人と同じようなことを考え、同じように振舞おうと考えていた。

 

このままではダメだ。

席を立ち、トイレに向かった。

 

用を済ませ、手洗い場の鏡を見つめ、自分に言い聞かせた。

 

「このまま何もなくていいのか?なんのために今まで経験を積んできたんだ?」

 

洗面台で顔を洗った。

冷たい水がとてもいい刺激になった。

 

「よし、今日は何としても最後まで全力を尽くす。そして、結果を残す。」

 

気持ちを切り替え、席に戻った。

 

席に戻ると彼女は目が少しとろんとしていた。

 

「目がとろんとしている。もしかして、昨夜は寝不足?」

 

「昨日は高校の時の同級生と遅くまで飲んでたので。正直、少し眠いですw」

 

そして、開口一番にこう切り出した。

 

「そういえば、就活で内定もらった、て話してたけど、もう誰かにお祝いしてもらった?」

 

「実は最近もらったばかりでまだなんですよ〜」

 

ピンチと思われた状況が一転チャンスに切り替わった。

 

「それなら、ささやかだけど一番乗りでお祝いさせて。おすすめの赤ワインがあるから、乾杯しよう!」

 

ワイン好きは事前に引き出していた情報。

続けざまにこう付け加えた。

 

「それに祝いといえば、ケーキだよね。うちの近くに食べログでとても評価の高いケーキ屋さんがあるから、そこのケーキでお祝いしよう!」

 

「なんていうケーキ屋さんですか?」

 

「○○駅から歩いてすぐの○○というケーキ屋さんだよ。」

 

「え!?その駅の近くに友達が住んでるので何度か行ったことありますw」

 

まさかの出来事。

ナンパの神様が味方してくれたにちがいない。

 

このチャンスを逃すわけにはいかない。

彼女もほろ酔いで気分がよさそう。

 

レンタルルーム打診を考えていたが、ここは一気に切り替えて直家打診。

 

まさかの快諾。

即への光が差した瞬間であった。

 

彼女の気分が変わらないうちに居酒屋を後にし、いざ自宅最寄駅へ。

 

最寄駅近くのスーパーでワインとチーズを購入。

 

そして、自宅近くのケーキ屋で好きなケーキを選んでもらい、そのまま自宅へ。

 

すぐにワイングラス、食器を用意し、お祝いの準備。

ケーキをおいしそうに食べる彼女の笑顔は何度見ても、飽きないし、癒される。

 

家ではだいぶ突っ込んだ話、特に恋愛関係を引き出した。

 

今まで彼氏は10人弱。

高校生から彼氏が途切れたことがない。

今まで自分から告白したことはない。

いいなと思った人には告白してくるよう振舞っていた。

浮気やワンナイトの経験なし。

 

言葉だけ見れば、ラーメンでいう粉落としばりに硬い女の子。

 

お酒も多少入り、いい感じになったところでレッテル効果とコールドリーディング開始。

 

Sっぽいけど、実はドMでしょ?

彼氏や周りには頼られたり、甘えられたりするけど、本当は甘えたがりでしょ?

仕事が始まったら、今までのように遊べない。今のうちにいろいろと経験していたほうがいい。

何事もやらずに後悔より、やって後悔でしょ?

 

これがすべてうまく刺さり、だいぶ心を許してくれたように感じた。

 

あとはギラつく勇気。

 

「いつもお姉さん的、時にお母さん的に振舞っていたら、疲れたりするでしょ?

今日だけは甘えてみてもいいんじゃないかな?」

 

そう言って背中からハグをする。多少グダはあるものの力は入っていない。

 

「背中からハグされると結構落ち着くでしょ?」

 

彼女は照れ臭そうに答えた。

 

「...はいw」

 

「夕方から彼氏とドライブなら、うちで少し仮眠とるといいよ。横になりな」

 

「いやいや、大丈夫ですよw」

 

言葉では拒否られたが、ハグしたまま彼女とともに横になった。

 

そして、一度離して彼女が起き上がらないか確認。

ここで起き上がったら、本気グダの可能性があるため、再度和み直しが必要と思っていた。

しかし、彼女は起き上がらなかった。

 

ここからは言葉はいらない。

一つずつ行動を起こし、グダがなければ、SEXまでいける。

 

そして、彼女は言葉では拒否るものの、体はとても素直であり、下半身を触るとそれがすぐにわかった。

 

ただし、ここまできてできていないことがある。

キスである。

 

キスだけは頑なに拒否され続けた。

 

 

 

以前、名古屋の駅中で声かけし、当日SEXした女の子もキスだけは頑なに拒んでいた。

 

 

 

当時の経験を生かし、彼女になぜキスしたくないのか核心に迫る言い方で聞いてみた。

 

「キスだけは特別だよね。体は許しても、キスだけは彼氏との特別なものだよね」

 

「...うん。」

 

「その気持ちとてもわかる。以前に同じような子がいて、その時もキスだけはできなかったw」

 

「タダオさん、どんだけ遊んでるんですかw」

 

「そこはご想像に任せる。けど、キスしたぐらいで揺らぐような彼氏ではないでしょ?それに実はキスは好きとみた。」

 

「え?なんでわかったんですか?」

 

「自分が一番好きなものを許すということは、それだけ相手を受け入れたってことだからさ。だから、キスだけは彼氏という存在にしか許したくないってことだ」

 

「タダオさん、なんでもお見通しですねw」

 

「伊達に経験してないからねwただ、お互い好きなことを我慢するのは体によくない。それにキスしたぐらいで彼氏への思いがぐらつくとは思えないよ、あれだけ素敵な彼氏なんだから。」

 

一瞬彼女がキスへの抵抗を弱めた。

 

気づいたら、俺の唇と彼女の唇は重なり合っていた。

 

初めて出会ってから約半年後。

 

半年前に戻れるなら、その当時の自分にこう言ってやりたい。

 

「あの時は勇気を持って声をかけてくれて、本当にありがとう。

あの勇気を無駄にせず、短冊への願い事は本当に叶うって事を証明するため、死力を尽くしたよ。」

 

 

 

 

「そして、短冊の願い事はちゃんと聞き入れられたよ。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

行為が終わり、着替える彼女に茶化すように言った。

 

「願い事が叶って良かったよ」

 

彼女は微笑みながら、こう答えた。

 

「あんな願い事で良かったんですか?それにそもそも願い事叶っていないですよw」

 

 

そういえば、俺の本当の願い事は彼女とのSEXだったが、

彼女に送った願い事は、とてもくだらない事であった。

 

 

これはまたの機会に。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

最後に俺にこのブログを書きたくなるきっかけを与えてくれた方に

感謝の意を込めて、この言葉を使わせていただきます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ありがとう

 

 

ドキドキできたよ。