ナンパの果てに見えるモノ

ナンパの果てに見えるモノは天国か、はたまた…

人生初。

偏見を持つな。相手が幕臣であろうがと乞食であろうと、教えを受けるべき人間なら俺は受けるわい。

 

坂本龍馬

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「クラブで聞いたこと、もう一度聞いてもいい?」

 

「何?」

 

「キスしてもいい?」

 

「私の口からいいとは言えないよ。」

 

「そうだね、ありがとう。」

 

そう言うと俺はそのまま、彼女にキスをした。

 

 

 

 

 

 

 

それは人生初のクラブでの出来事。

振る舞いが全く分からず、同僚と踊り狂っていた。

 

ふと目の前を見ると、2人組の女性も楽しく踊っていた。

 

ここはクラブ。

俺の目的はクラブナンパ。

 

楽しく踊りながら、接近し、顔を覗き込んで認識させる。

しばらく一緒に踊り、何気ない会話をした。

とても楽しい雰囲気で過ごせたのでまた会おうということで連絡先を交換。

 

その際に、酔いも手伝ってか、こんなことを言ってしまった。

 

「キスしてもいい?」

 

「・・・ダメ!」

 

その場は笑顔でやり過ごし、少しを話をして別れた。

 

後日LINEでやり取りをし、ご飯の約束をした。 

 

 

 

某日18時。

 

とあるワインバー前で待ち合わせ。

 

遅れてきた彼女。

「ごめんねぇ。」

 

「気にしないで。それより寒いから、早く中に入ろう。」

 

昔の自分なら理由を問い詰めていただろうに、ナンパではガンシカ・罵声・ドタキャンなどいくらでもあるから、遅刻ぐらいでは何も思わなくなった。

 

スコートしてお店に入る。

 

席に着き、和むところから始めた。

内容は仕事の話、友達の話、休日の過ごし方など。

 

休日の過ごし方の話の中でクラブはよく行くのかという話題になった。

俺は正真正銘初めてだったが、相手は一向に信じない。

 

こういう時思うのが、得てして自分の「事実」が相手にとって「真実」とは成りえない、ということ。

 

以前に先輩がこう言ってた。

「相手に話を合わせることも必要だ。俺はそれをピンクな嘘と言っている。真っ赤な嘘は見え見えだから。」

 

その話題は軽く流して、本題をぶつけてみる。

 

「クラブで俺が最後に言った言葉覚えてる?」

 

「覚えてるよ?」

 

「その時、返答までに一瞬間があったね」

 

「んー、好きだけど、人前だとね。」

そういった瞬間の彼女の表情を俺は見逃さなかった。

 

「確かにそうだよね。お店も混んできて周りが騒がしくなってきたから、静かなところに移動しようか。」

 

「そうだね」

 

お会計を済ませ、彼女にコートを掛け、お店を出る。

 

次の場所は何も言わず、先に歩く。

着いてくる彼女。

 

 

 

 

 

 

ホテルにつくなり、ベッドに腰をかける2人。

その間、お互いに言葉はなかったが気まずい雰囲気ではなかった。

この先起こる出来事をお互い理解していた。

 

「クラブで聞いたこと、もう一度聞いてもいい?」

 

「何?」

 

「キスしてもいい?」

 

「私の口からいいとは言えないよ。」

 

「そうだね、ありがとう。」

 

そう言うと俺はそのまま、彼女にキスをした。

 

 

 

 

 

偏見を持っていた人生初のクラブナンパで準即。

また一つ成長できた自分がそこにいた。

 

実は今回、もう一つ人生初の体験をしていた。

 

 

 

 

 

自分よりもそこそこ年上の女性であり、自身の年上記録を更新していた。

 

BBA箱は名に恥じぬところであった。