ナンパの果てに見えるモノ

ナンパの果てに見えるモノは天国か、はたまた…

コリドーの夜に《泥酔編》

『酒は人類にとって最大の敵かもしれない。

だが聖書はこう言っている、「汝の敵を愛せよ」と』

 

フランク・シナトラ

 

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『もう帰るね。ありがとう♪』

 

「約束通り、連絡先交換しよう!」

 

彼女とまた会いたい一心でそう言った。

 

『え?もう交換したよ?』

 

「え?!」

 

交換した記憶はなかった。

 

この場は彼女の言うことを信じ、足早に去っていく彼女を見送った。

 

部屋に戻り、携帯を確認した。

しかし、彼女の連絡先はなかった。

 

すぐに部屋を飛び出したが、彼女の姿はどこにもなかった。

 

夢から覚めた瞬間だった。

 

 

 

 

 

あの夢のような出来事(コリドーの夜に《弾丸編》)から3日後の夜。

 

俺は同じ土地に立っていた。

この日は友人が近くでナンパするという連絡をもらっていたため、久しぶりにコンビナンパの約束をしていた。

 

この友人は俗にいう野生のナンパ師で、とてもユーモアに溢れている。

LINEでの会話もいつもボケオンリーで笑いが絶えない。

 

 

20時ごろ。

 

コリドーのとある場所で待ち合わせし、新年のあいさつ。

その後、二人で適当にぶらつきながら、女の子を探していた。

 

何かを探している三人組を発見。

 

どうやら、ラーメン屋を探しているようだった。

適当に話し、ラーメン屋までの道のりで並行トーク。

 

しかし、あまり和めず、連絡先すら交換できず。

 

腹が減っては戦ができぬ。

 

いいトークをするためにもまずは腹ごしらえをしようという話になり、串焼きが美味しい界隈では有名な立ち飲み屋に立ち寄った。

 

久しぶりの再会と美味しい串焼きもありお酒が進んだ。

ようやくエンジンがかかってきた。

 

ある程度、おなかもいっぱいになってきたため、お店を後にし、ナンパ再開。

 

しかし、何人かに声かけするも、なかなか連れ出せず。

 

お互い終電が早いため、あと一往復したら帰ろうと約束し、通りに引き返そうとした時だった。

 

数字バーに一人の女性が入ろうと階段を下っていた。

横顔しか見えなかったが、綺麗な顔立ちだった。

 

頭で考えるより早く、体が勝手に動いていた。

 

「一人でバーに入るの?」

 

掛け声に気付いた彼女はこちらを振り返った。

 

『そうですよ!』

 

正面を向いた彼女はやはり綺麗だった。

芸能人で言うと、」

「一人でお酒飲んでも楽しくないでしょ?今、友達もいるから三人で飲もうよ!」

 

少しの沈黙の後、彼女は答えた。

 

『いいですよ!』

 

彼女を引き戻し、友人のところに戻った。

しかし、友人は離れていき、俺に手を振って、その場を去って行った。

 

俺は心の中で何回もありがとう、とつぶやいた。

これは是が非でもゴールを決めねば。

 

『あれ?友達は?』

 

「なんか急用ができたみたいで帰るって。」

 

彼女はさきほどまで飲み会をしており、飲み足りないため、一人でバーに入ろうとしていた。

 

先日の連れ出しで行ったとあるバーへ入り、お互いのことを話した。

 

彼女は大隈重信の設立した大学に通っており、話した感じも非常に聡明であった。

 

ただあっさりと連れ出しに応じてくれたものの、どことなく壁を感じる。

 

なぜ、この子は連れ出しに応じたのか。

この疑問が頭をぐるぐると駆け回った。

 

また身長は高く、すらっとしており、素晴らしいプロモーションであった。

 

「もしかして、モデルとかしてる?」

 

『何でですか?』

 

「歩き方に品がありすぎた!」

 

『笑笑。小さいころから○○してて、今も○○サークルに所属してるんです♪』

 

道理で歩き方が綺麗だし、プロモーションも素晴らしいわけか。

 

お互い酔いもいい感じになり、一件目のお店が閉店となったため、2件目に移動した。

 

2件目では恋愛トークを中心にした。

 

一週間ほど前に彼氏と別れ、付き合っている間に浮気はしたことなし。

一人飲みが好きでたまにコリドーにも出歩いている。

ワンナイトの経験はなし。

 

ただ、お酒の席は無礼講である。

彼女は本心を話してくれた。

 

『私、お酒飲むと性欲が爆発してしまい、やりたくて仕方なくなるんです♪』

 

ただ、この日は人生でもトップ3に入るぐらい飲んだ。

出来レースのようなシチュエーション。

 

しかし、アルコール多量接種によるチングダは確実であった。

 

しかし、途中からセックスはどうでもよくなっていたのかもしれない。

彼女は話がうまく、話題もたくさん持っていた。

 

この楽しい時間がいつまでも続くことばかりを願っていた。

 

しかし、夢のような時間はそう長くは続かなかった。

 

この後、閉店を迎えたため、タクシーでホテル街へ向かった。

なぜホテルに行くことになったかはわからない。

 

多分、泥酔していてもナンパ師としての本能がそうさせたのだと思う。

 

タクシーの中でひたすらキスをされた記憶があるが、ホテル到着以降の記憶がほぼない。

 

 

 

翌朝、意識がはっきりすると俺は全裸で寝ていた。

彼女はすでに服を着ていた。

 

早々に着替えを済ませ、彼女に昨夜の出来事を聞く。

 

一通りのことはしていたようだ。

ただ、いくらフェラをしても、騎乗位でしても、大きくならなかったらしい。

 

こんなかわいい子にそこまでされたのに俺の息子は死んでいたのか。

なんと嘆かわしいことか。

 

彼女は朝練があるらしく、帰り支度を始めていた。

 

『もう帰るね。ありがとう♪』

 

「約束通り、連絡先交換しよう!」

 

彼女とまた会いたい一心でそう言った。

 

『え?もう交換したよ?』

 

「え?!」

 

交換した記憶はなかった。

 

この場は彼女の言うことを信じ、足早に去っていく彼女を見送った。

 

部屋に戻り、携帯を確認した。

しかし、彼女の連絡先はなかった。

 

すぐに部屋を飛び出したが、彼女の姿はどこにもなかった。

 

夢から覚めた瞬間だった。

 

しばらくして、現実を受け入れ、自宅に戻ることにした。

 

着替えたのち、仕事へと向かった。

 

 

朝の通勤電車。

 

通り過ぎる景色をぼーっと眺めながら、考えるのは彼女のことばかり。

 

あんなに楽しく飲めたのは彼女のおかげだろう。

心から感謝している。

 

また彼女とどこかで出会えたならば、カフェでゆっくりと語り合いたいものだ。

 

 

そう、夢の続きを。

 

 

 

最後に一言。

 

酒は飲んでも、飲まれるな。

 

 

ナンパには夢があった。