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ナンパの果てに見えるモノ

ナンパの果てに見えるモノは天国か、はたまた…

別れと出会い。

ある日、父が僕に教えてくれた。

「お前に大事なことを教えてあげよう。」

僕のことを腕の中に抱きしめながら、父は言ったんだ。

「大人になったとき、もし壁にぶち当たってしまっても、それまでの経験が救ってくれる。」

「それでも、もし恐れるようなことがあったら、いつでも私のことを思い出すんだよ。」

 

「いつかお前もこの世を去らなきゃいけないときがくる。」

「だから、ちゃんと思い出に残る人生を生きなくちゃいけないんだよ。」

それは僕がまだ子供だったときに父が教えてくれたこと。

夜もまた、決してなくなることはないから。

それは父が僕に教えてくれたことだった。

 

The Nightsより引用(DJ Avicii)

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「この2日間ありがとう!気をつけて帰ってな。」

 

『こちらこそ、この2日間はもちろん・・・今までほんまにありがと!!』

 

 

お互いありがとうと思える出会いがこれからの人生、あといくつあるのだろうか。

 

 

 

 

 

彼女との出会いはふとしたものであった。

偶然という名の必然。で出会った彼女とは話も合い、しばらく仲良くしていた。

 LINEで適当な話をしたり、悩みを聞いたり、くだらない話をよくしていた。

 

先日、そんな彼女から東京に遊びに行くから会おうと連絡があった。

 

夕食を食べ、タダオ邸に一泊し、翌日は某施設に行こうと伝えた。

久々の再会に心を踊らせ、楽しみに当日を待った。

 

 

当日の夜。

待ち合わせ場所に早めに到着。

間もなく彼女から連絡が入った。

 

『予定が押して、少し遅れそう。。。ホンマにごめん!』

 

この瞬間、得体の知れない違和感と共に妙な胸騒ぎを覚えた。 

彼女とは何度か遊びに行ったことがあるものの、今まで一度も約束の時間に遅れることがなかった。

 

「大丈夫だよ。気をつけておいで^^」

 

『ありがとう(T_T)』

 

この胸騒ぎはきっと気のせいだろう。 

そう思うことにし、彼女が来るまでカフェで待つことにした。

 

彼女からの到着連絡。

外に出て指定の場所へ向かった。

久しぶりに見る彼女は巻き髪で髪色をダークブラウンにしており、より大人っぽく見えた。

 

 「なんか大人っぽくなったね。」

 

『髪色変えたし、ウェーブかけてるからちゃう?笑』

 

 たわいもない話をしつつ、時間が押していたため、予約していたバルに向かった。

 

お店に到着し、おすすめのワインで乾杯をした。

 

国家試験を終えた彼女。

就職するまでのつかの間の休息を満喫するため、東京へ遊びに来ていた。

 

飲みながら、お互いの近況を語り合った。

 

東京であまり会えない友達や親戚たちとの再会し、たくさん遊んだこと。

実は父親がとある理由で幼い頃から嫌いなこと。

地元の男性から告白されたが、タイプでなかったために振ったこと。

 

前回、大阪で会った時と同じように楽しそうに話をしてくれる彼女。

 

しかし、なぜだか以前より心の距離が遠く感じた。

最初は気のせいかと思っていた。

しかし、彼女と過ごす時間が経てば経つほど、話せば話すほど、その違和感のようなものがどんどん増していった。

 

試しに手を握ってみた。

やはり、握り返しはない。

 

もしかすると、気付かないうちに気に障ることをしてしまったかな。

 

そう思いつつも、彼女を楽しませることに全力を注いだ。

初めて出会った時、彼女は誕生日を彼氏に祝われた経験がないと言っていた。

 

誕生日が近かったのでささやかながら、お店でサプライズ誕生日パーティをした。

彼女はとても喜んでくれた。

美味しいワインとお肉、それにケーキを食べる彼女は笑顔はとても愛らしかった。

 

終電も迫っていたため、早々にお店をでた。

彼女は何回もお礼を言ってきた。

そんなに言わなくても、と思うぐらい言ってきた。

この時、彼女のある決心に露ほども気付いてなかった。

 

自宅に帰り、夜は当たり前のようにセックスをした。

彼女は何回果てたのだろう。

そう思うぐらい、彼女と何度もした。

お互い疲れ果て、そのまま眠りについた。

 

 

翌日。

 

この日は彼女ととある場所へ行く約束をしていた。

昨夜のこともあり、起きてすぐ別々にお風呂に入った。

 

俺が入浴中に彼女は冷蔵庫にあるものでご飯を作ってくれていた。

 

『勝手に冷蔵庫開けてごめん!お腹すくだろうと思って。。。

簡単なものやけど作ってみた♪』

 

「この短時間でこれ作れるなんてすごいな!ありがとう!!」

 

彼女の手料理はとても温かく、美味しかった。

出発の時間が迫っていたため、のんびりしたい気持ちをぐっとこらえて、いそいそと準備をし、自宅を後にした。

 

施設までの道のり。

昨日の違和感が嘘のように彼女は終始笑顔で手をつないだら、握り返してきた。

彼女は連泊のための着替えやお土産で荷物が多く、移動が大変そうだった。

そこでキャリーケースを道中の某ターミナル駅のコインロッカーに預けることにした。

 

『初めて出会った時を思い出すわぁ~笑』

 

「今回は立場が逆だけどね笑」

 

当時のことを笑い話にしつつ、目的地までの道のりを急いだ。

 

施設に到着し、多少のハプニングがあるものの二人で目一杯楽しんだ。

2人とも大いに楽しみ、大いにはしゃいだ。

こんなにはしゃいだのはいつぶりだろうか。

 

閉館時間が迫り、お腹も空いてきたので俺のおすすめのパスタを食べることにした。

彼女もこのお店が気に入ったようでまた来たいと言っていた。

 

彼女は今夜帰る前にまた別の友達とカフェに行くようだった。

その時間まで一緒にカフェでゆっくりすることにした。

 

「昨日今日とありがとうな!とても楽しかったよ。」

 

『私もめっちゃ楽しかった~♪』

 

「今、筋トレに夢中だから次会うときはムキムキなってるから楽しみにしててな!」

 

『・・・うん。』

 

「元気ないやん?まぁ、今日はずっと歩き回ったしな。」

 

『実はな・・・』

 

「???」

 

『昨日、告白されたって話したやん?実はもう1人違う人からも告白されてて・・・』

 

「うんうん。」

 

『返事は保留にしてるんやけど、話も合うし、趣味も合うから、付き合ってもいいかな、て思ってる。』

 

「お、良かったやん!」

 

『まぁ、私の返事しだいやけどな笑』

 

「上から目線きた笑。けど、いいなって思える相手が見つかってよかったやん!」

 

『そうやねんなぁ。だから、もしかすると会えるのは今回が最後かもしれん。ごめんな?』

 

「そこは気にせんでいいよ。自分の人生は自分で決める、これ大切だから。」

 

『ありがとう。この話をいつのタイミングでするかずっと迷っててん。けど、LINEでするものタダオくん後悔させそうやし、今かなって思ってん。なかなか言えんくて、ほんまごめん・・・。』

 

「俺は○○と出会えてホントよかったし、楽しい時間が過ごせて感謝してる!いつかはこういう時が来るかなとは思ってたし、ね。」

 

『こちらこそ、たくさん遊んでくれて、励ましてくれて、サプライズもしてくれて、めっちゃ感謝してる!』

 

「お互い様だよ笑。そういえば、そろそろ友達来るだろうし、俺も皿洗いしないとけないから、そろそろ帰るわ。」

 

『長い時間一緒にいてくれてありがとう!』

 

「こちらこそだよ。じゃあ、元気でな!」

 

『うん♪』

 

そう言う彼女の頭を軽く撫でた。

出会ったころに見せてくれた無邪気な笑顔をしてくれた。

 

俺はそのままカフェを後にし、帰路に着いた。

 

 

 

 

 

 

自宅に到着し、リビングで一息つこうと椅子に腰を掛けた。

ふとテーブルに目をやる。

一緒にご飯を食べた後の食器がそのまま置いてあった。

 

その瞬間、俺の中で何かがこみ上げてきた。

 

付き合っているわけではなかった。

ただ、それでも彼女と過ごした時間は楽しかった。

彼女も俺との時間を楽しんでくれていたのかな。

そんなことばかりを考えてしまう。

 

たくさんの女性と関係を持っていれば、たとえ一人の女性と疎遠になったとしても、寂しくならないだろうと思っていたのに。

別れもいずれは慣れて、何も思わなくなるだろうと思っていたのに。

 

そんなことは全くなく、ひとり一人にドラマがあり、思い出がある。

多分、死ぬまで別れに慣れることはなく、やりきれない気持ちになるのだろう。

 

しかし、考えてもどうなるものでないと自分を奮い立たせ、食器を洗った。

食器を洗い終え、改めて彼女に感謝の気持ちを送った。

 

「この2日間ありがとう!気をつけて帰ってな。」

 

しばらくして、彼女からの返信。

 

『こちらこそ、この2日間はもちろん・・・今までほんとにありがとう!!』

 

 

お互いありがとうと思える出会いがこれからの人生、あといくつあるのだろうか。

 彼女からのLINEに既読を付け、そっと彼女の連絡先を消した。

 

 

春は出会いと別れの季節。

様々な場所でさまざまなドラマがあり、幾人もの人が笑い、時に涙する。

 

ナンパというゲスな行為をしてても、所詮は人間。

悲しいことだってたくさんある。

 

しかし、彼女は前に進もうとしている。

自分だけ立ち止まる訳にはいかない。

 

彼女の旅立ちを素直に応援しよう。

そして、まだここにない出会いを探しに行こう。

 

こういう時こそ、お酒で祝福しないと。

そう思い立ち、冷蔵庫から缶ビールを取出す。

呑もうとした瞬間、一通のLINEが。

 

 

こんな時間に誰だろう?

 

名前を見ると、出会った3人のB子からだった。

住んでいるのが関西方面と遠いことに加えて仕事も忙しいため、なかなか再会できていなかった。

 

休みが決まったら連絡してと伝えていたから、その連絡かと思い、内容に目を通した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『私の友達でフェラの練習したいっていう少し変わった子がいるんですけど・・・。よかったら、今度タダオさんの友達も呼んでもらって、みんなで飲みませんか?』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「すぐいく!」

 

 

 

 

 

 

 

 

ナンパには悲しみだけじゃなく、フェラという夢も詰まっていた。